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メールマガジン掲載記事

◆◆◆学びの鍵◆◆◆

こちらでは、メールマガジンで取り上げられた内容を掲載しています。

2023年12月1日(第16号)


【防災を学び続けるために ~「防災士専門講座」開講 ~】


 防災士第1号が生まれたのは、2003年防災士研修センターが主催した講座でした。それから20年。全国で約27万人の防災士が活動しています。
 今まで資格取得後の皆様からセンターに「防災について学ぶ場が欲しい」という声をいただいておりました。自然災害が各地で頻発し、その研究や対策も進化している昨今、第13号で実施したアンケートの結果からみても、多くの方が防災について学び続ける必要性をより強く感じていると思います。
 そこでこの度、防災士研修センターで防災士資格を取得された皆様の、防災に関する「リスキリング」を支援するため、「防災士専門講座」を開設することとなりました。防災を学ぶ「基礎体力」をお持ちの防災士の皆様に、まずは自分の身近なところに関する話題について調べ、課題を見つけ、活動につなげていただけるように企画いたしました。講座には、防災士研修講座にご登壇いただいている、防災研究における第一人者にご登壇いただきます。  また当講座は今後、皆さんにご興味を持っていただけるような内容に入れ替え、毎年開講いたします。

本日12月1日(金)から下記のお申込み受付を開始いたしました。
  ・23年度1月コース【1期】
  ・23年度2月コース【2期】
以下のURLに詳細をご紹介しております。
ぜひ防災士研修センターがご用意した「防災の学びの場」をご活用ください。

「防災士専門講座」ホームページ
※ご不明な点は「防災士専門講座」事務局(jukou1@bousaishi.net)までお問い合わせください。

​​【地下鉄の防災対策】

 日本に初めて本格的な地下鉄が開業したのは1927年。東京地下鉄道の上野~浅草間(約2.2km・現在の東京メトロ銀座線)です。1933年に日本初の公営地下鉄として、大阪市営地下鉄御堂筋線の梅田~心斎橋間が開業し、日本の地下鉄は都市の発展とともに延伸・開業を重ね、1950~60年代は東京・大阪・名古屋に、その後は地方中枢都市へと広がっていきました。
 現在では、地下鉄の事業者団体は公営・民営・準公営併せて15あり、総延長は東京‐福岡間の直線距離約886㎞に迫る851km、日本の総人口の約10%の1,212万人が毎日利用しています。ちなみに前回のメールマガジンの記事で「エレベーターの日」についてご紹介しました。地下鉄ではエレベーターが1,730基、エスカレーター3,870基が稼働しています(2022年現在)(※1)。
 地下鉄事業者が対策を行う対象となる災害は、大きく「火災」「水害」「地震」の3つに分かれます。都営地下鉄を例に対策を見てみましょう。
 【火災】2003年2月韓国で発生した「大邱地下鉄放火事件」(192人死亡、148名負傷)を受け、日本でも消防法令の改正や施設や車両の防火対策が行われました。各車両には消火器が設置され、主要部分に不燃材料を使用しています。停電時は約30分間予備灯が点灯しトンネル内で避難する場合は車両正面の貫通扉から避難できるようになっています。
 【水害】2021年7月中国で地下鉄のホームだけでなく車両まで浸水する事態が発生しました。日本でも台風や線状降水帯による洪水、内水氾濫、高潮に加え、津波の影響も予想されます。さらに複数の地下鉄の乗り入れ、地下街との連結などにより、浸水リスクはより高まります。都営地下鉄の場合は、駅出入口や地下街との接続部に止水板・防水扉を設け、トンネル内にも防水扉を設けています。
 【地震】阪神・淡路大震災を契機に、柱を補強し、2007年「早期地震警報システム(緊急地震速報をもとに大きな揺れの発生前に列車を停止させる)」を導入しています(※2)。
 発災時に速やかに自分自身、さらには他の利用者の命を守るための行動がとれるように普段利用する地下鉄の、標準的な防災対策を知っておくと良いですね。

※1 一般社団法人日本地下鉄協会「日本の地下鉄」
http://www.jametro.or.jp/japan/

※2 東京都交通局 都営地下鉄「災害対策」
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/kanren/disaster.html#c

防災士研修センター防災士研修センター

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砂防会館別館7階