防災士インタビュー

古川洋子さん

学業についてお聞かせください

大学院の学生として、「避難所」をテーマとする研究活動に取り組んでいます。本学があり、私自身も住んでいる文京区の避難所を対象としています。想定されている大地震発災時には、特に都心部の過密地域では大混乱が予想され、文京区では避難所の収容能力不足から溢れ出しが懸念されています。発災直後には避難所運営協議会のメンバーである住民自身が避難所を立ち上げなければない状況ですが、こうした問題への危機意識には温度差があり、運営協議会による対策も始まったばかりです。緊急に避難所の事前対策を住民サイドからもすすめなければならないと思っています。

被災されたご経験がおありでしたら、お聞かせ願います。

被災体験はありませんが、当研究室での現地調査や被災者の方々との交流・支援活動を通して、津波や原発被害の壮絶な体験、避難所・仮設住宅での生活やお気持ちに直に接する機会が幾度となくありました。コミュニティが希薄な都心で想定されている地震が起こることを重ねあわせるとぞっとします。個人の備えはもとより、地域の防災力を上げないと大変なことになるとの思いを強くしました。

防災士資格取得のきっかけについて、お聞かせください

地域防災に関わる者として、ベースとなる幅広い分野の体系的な知識を身につける必要があると感じていました。そんな時に、文京区では避難所の運営リーダーとなる住民に防災士の資格を取得するよう対策していることを知ったのがきっかけです。実際に受講してみると、被災地での実体験を交えた講義、避難所運営のグループワークなど体験型の訓練によってリアルなイメージを持つことができました。知識ばかりでなく意識や技能の向上に大いに役立つことを実感しました。

今後の抱負について、お聞かせ願います

地域の防災訓練に参加したり、避難所運営協議会の活動内容について調査を行ったりしながら、住民、避難所運営者、避難所となる学校、また行政の観点から事前準備の現状を調べています。今後は、一区民として長年地元で日常生活を通して培ってきた経験、また子育てや介護に携わってきた生活者、女性の視点も活かして、発災時に避難所をスムーズに立ち上げる一助になればと思っています。

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