防災士インタビュー

馬場雄大さん

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

 私の住む宮城県では、以前から「宮城県沖地震」の発生が懸念されていました。そのため、大学でも災害やボランティアに関する講義を受講し、自分の命や家族、友人の命も守れるような知識と経験を身につけようと考えていました。そんななか、「東日本大震災」にが起こり、何もできない自分に愕然としました。防災士の資格取得は、大学職員で防災士の資格をすでに所持していた方から、震災前より強く勧められていましたが、震災を経験してからは、自分でも資格の取得を強く意識するようになりました。というのも、大学で学んでいる以上の知識を身につけることができる、そして、自分の命、周りの命を今度こそ守れるように、自分から防災について発信していこうと思ったからです。

被災された経験についてお聞かせください

 私が生まれてから、記憶にあるだけでも大きな地震は4~5回経験しています。宮城県北部地震や連続地震。記憶の新しいところでは、岩手・宮城内陸地震、東日本大震災があります。私はまだ20代前半ですが、これだけの地震を経験しているということは、宮城県が、そして日本が地震多発地域であることを物語っています。私自身、東日本大震災での被災は、大学の講義などで見た映像や写真のような被災生活を、実際に自分が強いられているという思いがありました。また、ライフラインや公共交通機関のストップは、これまで自分が生活していた日常が、どれだけ恵まれていたことか、ということを教えてくれました。今後も災害は容赦なく襲ってきます。防災士としてできることを考え、行動に移せるよう日頃から備えたいと思います。

今後の課題・抱負についてお聞かせください

 東日本大震災から早くも1年以上が過ぎましたが、東北の復興はあまり進んでいません。また、首都直下地震や東海・東南海・南海連動地震も懸念されている日本で、防災に携わる人間、特に市民、地域レベルでの活躍が期待される存在が求められています。私自身、防災士の資格を取得しましたが、まだ学生のため、できることは限られています。しかし、その「できること」がとても重要なことであり、防災士の理念である、「自助と共助」をこれからも十二分に発揮するために、今後も防災について学んでいくことはもちろん、それらを活かして、災害に関するボランティアや防災の啓発活動に積極的に取り組みたいと思います。

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