防災士インタビュー

江口 彰さん

お仕事の内容をお聞かせください

総合コンサルティング会社のアクセンチュア株式会社で、社内のリスクマネジメント体制の整備・運用を担当しています。

ご自身で被災された経験がございましたら、お聞かせください

現在の会社に転職前ですが、東日本大震災の際は、緊急事態対策本部の事務局メンバーとして社員の安否確認、会社としての震災対応方針の検討などを行っていました。身の危険を感じるほどの余震が続く中、適切な情報を収集した上で、意思決定を行い、社員に対して迅速かつ確実な指示を行う必要がありました。自社の社員やクライアント先など様々なところで災害に対する備えの重要性や、災害発生時に向けた訓練の重要性を語っていたのですが、身をもって実感した出来事でした。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

現在は社内の体制整備を行っていますが、もともとはコンサルタントとして他社のBCPの策定等を支援していました。一定の知識は持っているという自負はあったものの、ほぼ独学であったため知識にムラがあると感じていました。このため、防災に対する網羅的な知識を得たいと防災士講座に申し込みました。

防災士の資格を取得して得たことを、どのように役立てようとされていますか

これまでも実施してきたことの延長線上ではありますが、災害に対する備えの重要性や、災害発生時に向けた訓練の重要性など防災に対する重要性を伝えることが必要だと思います。また、現在多くの企業にてBCPを策定していますが、文書は立派でも災害発生時に実現性の乏しい絵に描いた餅になっていることも多いのではないかと思います。このような企業に対して、実際に使えるBCPの策定を支援していきたいと思います。

現在、取り組まれていることがありましたらご紹介ください

現在は仕事をしながら大学院に通い、どのようにすれば企業にとって実効性のあるリスク管理体制を導入できるかの研究を行っています。危機管理に関する学会にも所属しており、学術的な知見を収集しながら、実務に活かす方法を常に考えています。

今後の課題、抱負をお聞かせください

東日本大震災をはじめとしていくつか災害を経験してきましたが、今のところ幸いにも身の回りで大きな被害は発生していません。しかし、首都圏直下や南海トラフ地震、異常気象による竜巻や台風など今後もさまざまな災害の発生が予想されます。防災士の原則である自助・互助・協働を災害発生時に実践し、今後も大きな災害につながることを少しでも防げるよう、平時から高い意識をもって活動していきたいと思います。

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