防災士インタビュー

沖田陽介さん

お仕事の内容をお聞かせください

これまで国際協力機構(JICA)の派遣する国際緊急援助隊関連の業務を主に担当させて頂きました。私自身が現地に派遣されることもあり、2003年のアルジェリア地震に始まり、もっとも最近の派遣は2011年のニュージーランド南島地震です。その縁で、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)が災害発生直後に派遣する国連災害評価調整チーム(UNDAC)のメンバーとしても登録されており、東日本大震災でのUNDAC派遣を含め、これまでに2回派遣されています。また、国際捜索救助チームのネットワークである国際捜索救助諮問グループ(INSARAG)の各種活動にも参加しています。2011年以降はインドネシアおよびカリブ海地域でJICAの実施する防災プロジェクトの管理・運営にあたってきました。現在はカリブ海地域から帰国して、次の仕事が始まるまでの準備期間です。

ご自身で被災された経験がございましたら、お聞かせください

東日本大震災発生時に、私は新宿区早稲田にいて帰宅困難者となり、前職のJICA本部のある麹町まで徒歩で移動しました。その場で、日本に殺到することが予想された国際捜索救助チーム等の調整活動を、あらかじめ登録されていたUNDACのメンバーとして担当することが決まりました。

東日本大震災発生時にはUNDACメンバーとして国際緊急援助の受け入れ調整を担当したわけですが、これまで主に海外に対して行う支援を担当していた私は日本国内の災害対応システムに疎く、世界から集まったUNDACメンバーにうまく説明できなかったという反省点がありました。私自身、学部時代は法学を、大学院では外交を専攻しており、災害支援、防災については実務で得た知識のみです。東日本大震災後もインドネシア、カリブ海においてJICAの防災分野協力を担当しましたが、日本の知見、経験を伝えるにあたって、日本の災害対応システムを理解しておくことは重要だと感じたことも今回の受講のきっかけです。

今後の課題、抱負をお聞かせください

カリブ海地域での業務を終え、帰国してすぐに防災士研修を受講しました。今後も国際緊急援助、国際防災協力といった分野での貢献を目指しており、今回の研修で得た知識を業務に活かしたいと考えています。大災害が発生した場合、海外から大量の国際支援が殺到することが今後も考えられます。また、日本国内の災害であっても多数の外国人被災者が生じる可能性もあります。私自身、海外を対象とした業務が多いので、このような問題について、国際支援の調整システムや、海外での事例紹介等を通じて貢献できればと考えています。

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