防災士インタビュー
内田 隆さん
お仕事の内容をお聞かせください
「東京ディズニーリゾート」の経営・運営を主な事業とする株式会社オリエンタルランドで、テーマパークにおける業務改善策の企画立案・支援を推進するグループを担当しています。
なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか
オリエンタルランドには、「東京ディズニーリゾートで働くすべての人は、災害発生時に『自衛消防隊』として行動する」というルールがあります。東日本大震災発災時も、このルールに則った行動を執ることで、災害被害を軽減することができました。中でもゲスト(顧客)対応を担う「テーマパーク運営部門」のキャスト(従業員)による臨機応変な行動は、多くの賛辞を頂戴する結果となりました。しかし、あらためて震災時の対応を振り返った時、自身が所属するテーマパーク運営部門をサポートすべき部門や一般管理部門において、「当日の対応が十分であったか」「改善すべき課題はないか」というような思いが頭を擡げてきたのでした。自問自答の日々が続く中、課題解決に向けた情報収集の一環で訪れた「そなエリア東京」でふと目に留まったのが、「防災士研修講座」のパンフレットでした。そこに記されたプログラム内容には、組織の“自立”をリードするために欠かせない要素が溢れており、直感的に受講を決めました。正に運命的な出会いだったのです。
防災士の資格をどのように職務や地域での活動に役立てようとされていますか
職務では「所属する自衛消防隊の組織力向上」、地域では「家族への減災・防災教育」に役立てるところからスタートし、徐々に活動の場を広げて行きたいと思います。災害という“敵”を知ることで見えてきた“己”が執るべき手法を、自分の中だけで完結していても意味がありません。点から線に、更には面から体へと組織立てて周知徹底することこそ、防災士の資格を得た者の使命であると認識しています。
現在、実際に取り組まれていることがありましたらご紹介ください
「自助」最大のポイントである「死なない、ケガをしない」ために、所属部門のオフィス家具類の転倒・移動防止措置を更に強固なものに変更しました。又、東日本大震災発災時の対応や、その後実施した防災訓練での反省点を分析し、所属する自衛消防隊における指示命令系統を強化しました。同様に、「本当に必要な物は」の視点で防災備品を再選定し、計画的に購入しました。直近では、同じ自衛消防隊に所属する部門を対象とした「減災ミーティング」を企画・開催し、最新の減災・防災トレンドや防災備品の使用方法等を共有しました。どの取り組みに対しても、防災士としての“気付き”を盛り込むことで、減災・防災レベルの向上が図れたと感じています。
今後の課題、抱負をお聞かせください
災害時に於ける、テーマパーク運営部門キャストの必死な頑張りを陰で支えるためにも、サポート部門と管理部門が「自分達の命や施設は自分達で守る」ことで更に“自立”し、ゲスト対応が最優先出来る運営態勢づくりに寄与したいと思います。
- 防災士について
- 防災士インタビュー