防災士インタビュー
歌原奈緒さん
声なき声をきく
私は普段、気象予報士として情報番組でお天気キャスターの仕事をさせていただいています。気象予報士は、台風などの災害時に、注意や警戒を促したりします。
その為、「防災士の資格を持っていたほうがいいんじゃない?」と知人に勧められ、軽い気持ちで講習会にいきました。そこで愕然としました。私はなにも防災のことを知らなかった。
一番驚いたのが、阪神淡路大震災の犠牲者の写真を見せていただいた時です。言葉を失いました。普段、テレビや新聞では絶対に見ることのない写真。そこには、犠牲者の方たちの悲痛な叫びがあふれていました。犠牲者の大多数は、建物の問題で命を落としてしまったそうです。例えば、地震の瞬間に重い棚に挟まれてしまったり、ものが飛んできて頭を打ってしまったり、地震が発生した瞬間には助かっていたのに、家具に遮られて逃げ遅れて火に取り囲まれてしまったり。地震では火事が怖いというイメージがあったんですけれど、それ以前の問題だったんです。犠牲者の92%が地震直後の14分間で亡くなっていたというデータもあるそうです。
では、何をすべきなのか。やっぱり「耐震補強」と「家具固定」その二点をしっかり確認し、実際に地震が起きた時にどう動けばいいのか日頃からイメージすることが大切だと思います。
私は、防災士の資格を取ってから、自分の部屋の間取りを見直しました。ベットの周りに背の高い本棚やタンスがあっては危険すぎる。背の高い家具はひとつの部屋にまとめて、自分が生活する空間は、なるべくすっきりさせておくのがいいそうです。さっそく模様替えをし、また自宅、職場、よく遊びに行く場所から避難所までの経路も確認してみました。
とても難しいことですが、「亡くなってしまった方の言葉を聞く」その意識が大切なのだと思います。地震はいつ起こるかわからない。いざというときの為に、日頃から考えて準備をしていかなければいけないのだと思います。
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