防災士インタビュー
早瀬尚文さん
お仕事の内容をお聞かせください
介護保険を利用した福祉用具の貸与、販売のほか、個別対応出来るオーダーメイド車椅子や電動車椅子、座位保持装置などを製作している「みらい工房」の管理者をしています。株式会社みらいでは、同じ敷地内で高齢者・障がい者デイサービス、ヘルパー事業所等も運営しております。また「みらい装備工房」では消防、救急、警察、自衛隊関連の資機材を扱っているほか、工房の縫製設備を利用した装備品の製作、修理も行っております。
ご自身で被災された経験がございましたら、無理のない範囲でお聞かせください
東日本大震災で地元秋田県は2カ所の火力発電所が停止し約3日間の停電、その後の大きな余震でも約2日間停電しました。人的な被害はなかったのですが県全域において経済に大きな影響がありました。自分を含め、ほとんどの人々が「地震で停電しない」と思い込んでいたため何も備えていませんでした。今回の震災で宮城県に住む友人宅が津波で全壊、友人の父親が亡くなりました。震災20日後くらいから友人を支援するため現地入りしたのですが、復旧すら進まない現状と被災地の悲惨さに唖然とするしかありませんでした。
なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか
仕事柄、在宅の障がい者を訪問する機会が多いのですが、災害に対する備えが行き届いていないことに不安を感じていました。危機管理産業展という展示会で防災士の存在を知り、自分で防災士となり、情報を伝えることが出来ないかと考え受講いたしました。
現在、実際に取り組まれていることがありましたらご紹介ください
肢体不自由障がい者向けライフジャケットを装着した状態での避難訓練や、実際にプールなどで装着し使用する浮遊試験などを行っています。このライフジャケットは車椅子等に着座したまま装着可能で、背部に浮力体がありませんので、避難待機中に車椅子の背もたれにしっかり寄りかかることが出来ます。通常のライフジャケットでは座位に影響のある人でも使用可能です。
今後の課題、抱負をお聞かせください
社内および地域での防災教育の充実を図るほか、救助装備や非常用食料等を備蓄したデイサービス施設を地域と連携した福祉避難所兼防災拠点として機能出来るようにするとともに、在宅障がい者に対する防災意識向上のため、当事者や関係各所に積極的に働きかけます。また、防災士を受講して知った事業継続計画(BCP)を企業としてしっかり取り組み策定していきたいと考えます。
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