防災士インタビュー

森山典子さん

お仕事の内容について、お聞かせください

学校法人井之頭学園、藤村女子中学・高等学校に勤務しています。英語科教諭として授業、補習、分掌、部活、生徒国内外引率などを経験し、平成24年4月から中学教頭として勤務しています。 高校1年生の娘がおり、一保護者としての視点を持ちながら、管理職として様々な学校業務に対応するように心がけています。

東日本大震災の被災状況は、いかがだったでしょう

東北地方太平洋沖地震が起きたときには、都内で自動車運転中でした。電線が音をたてて揺れていたり、近くの電柱が倒れてくるのでは、という映画のような光景に恐怖を感じました。学校内ではほとんどの教員と部活中の生徒が残っていましたが、人員点呼やHP、一斉メールでの家庭への連絡、校内での宿泊などに大きな混乱はありませんでした。近隣の飲食店からのおにぎりの差し入れ、翌朝の生徒と教職員による炊き出しもありました。

防災士の資格をなぜ取得しようと思われましたか

3.11以降、保護者や生徒にとって最も安全な場所であるべき「学校」において現状の危機管理体制に対する懸念が管理職、教諭間で一層高まり、創立80周年記念事業として校舎の大規模な耐震工事が夏季休暇を利用して実施されました。また、これまで総務部が音頭を取っていた防災に関わる業務を、専門知識を有する人材を中心により整備、系統だてることとなり、管理職から1名、教諭から1名が防災士資格をとることになりました。

資格取得後、どのように役立てられますか

短期間の研修で得た知識は限られており、具体的に職務・地域で役立てるとなると自分なりのリサーチや学習が必須だと痛感しています。今年度、総務部により作成された「平成24年度教職員のための防災要項」には学校保管防災用品一覧・保管場所、教職員の組織体制、行動マニュアル等が掲載され、実際に簡易トイレや浄水器の使用方法の確認デモンストレーションを全教職員対象に実施しましたが、まだ紙面上の確認事項も多く、有事の際にどの程度それらを活用できるかは疑問があります。私学間でも自校の防災マニュアルを提示したり、意見交換の場を持つなど危機管理意識は高まっているので、他校の良い部分を参考にして、保護者・生徒から信頼される安全な学校環境を作らなければいけないと思っています。また、「暮らしてみたい街」の上位に常にランクインしている吉祥寺という立地条件から、地域の方々、遠方から訪問されている方々への有事の際の対応も十分に考慮していく必要性も感じています。

今後の課題、抱負について、お聞かせください

有事の際の教職員の組織体制や行動マニュアルの徹底と訓練(保護者への生徒引き渡しを含む)、授業時間外での避難訓練の企画・立案と実施、目下生徒は持参禁止の携帯電話の効果的な活用方法検討等々、数え上げればキリがありませんが、有事発生はこちらの準備完了を待ってくれないので、保護者が安心して子供を送り出せるような、生徒が安全に過ごせるような学校環境、危機管理体制を最優先順位の業務として検討、実現していきたいと思っています。家庭においては、講習後、すぐに家具転倒防止器具の備え付けや備蓄品購入の必要性を痛感していたのですが、未だに果たせていません。自助あってこその互助、協働ですので、早急に対応したいと思っています。

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