防災士インタビュー

黒羽正和さん

お仕事の内容をお聞かせください

川崎重工業株式会社に勤務しております。弊社には7つのカンパニーがあり、私の所属する航空宇宙カンパニーでは、主として自衛隊の航空機などの製造や民間旅客機やH-IIAロケットの分担製造を行っています。川崎重工業に入る前は、航空自衛隊で30年以上に亘り戦闘機パイロットとして、我が国防空の任に就いておりました。その経験を活かし、航空機の運行に関する知識普及や設計助言などを行っております。

ご自身で被災された経験がございましたら、お聞かせください

青森県に在住中、昭和43年十勝沖地震に遭いました。当時、体育の授業中でしたが、ドーンという突き上げが来て激しく揺れ、体育館の天井からボルト・ナットが凄い勢いで落ちて来たことや体育館横の道路上でダンプカーが宙にジャンプしていたことなどを覚えています。 自宅に帰ってみると、家の壁がことごとく崩れ落ちて屋根と柱だけになっており、割れたガラスが散乱していました。夜になって、蝋燭を灯しながら夕食を食べ始めたときに大きな余震が来て、真っ暗闇の中、カレーライスを頬張りながら外に逃げ出したことなど、40年以上経った今でも鮮明に記憶しています。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

年齢による身体や脳の衰えに負けないように、何か自己啓発になるものを探していたときにインターネットで「防災士」という文字に当たりました。航空自衛隊において災害派遣業務を担当していた経験もあり、普段から防災活動には興味を持っておりましたので「防災士」について詳しく調べました。その上で、防災士研修を契機に「自助・共助」に関する専門的知識を習得することができれば地域への貢献に役立つと思い、資格取得にチャレンジしました。

現在、実際に取り組まれていることがありましたらご紹介ください

防災週間に家族で避難場所・避難経路を再確認するとともに、防災士研修での成果を基に備蓄用品を点検し、備蓄数の妥当性や内容について検討しました。現在は「自治会防災マニュアル」を作成中で、地域における備蓄の検討、災害時要援護者支援要領など、防災・減災活動を普及すべく、グループで作業を進めています。

今後の課題、抱負をお聞かせください

常に新しい知識に更新しておくことが「防災・減災」に不可欠だということは誰もが認識しているところだと思いますが、情報が氾濫する昨今、何が正しい情報なのか判断するのは至難の業です。個人も組織も正しい情報を共有できる「仕組みづくり」が必要だと考えています。 最近は、近隣の付き合いが希薄になっている傾向にあり、それが防災活動面においても障害になるのではと危惧しております。地域の皆さんに少しでも「防災共助」の精神をご理解頂けるよう働きかけて行きたいと思っています。

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