防災士インタビュー
加納 理さん
お仕事の内容をお聞かせください
会社では安全衛生に係る仕事に従事しています。勤務中や通勤途上で災害が発生すれば、関係者から災害報告書を提出してもらい、当方で「災害ニュース」を作成して再発防止を唱えるということもしています。 数年前までは、生産工場での労働災害防止活動の指導が業務の大半を占めていましたが、最近は従業員の心の健康問題に関する研修や工場の警備体制の構築、災害発生時の事業継続計画策定の推進と業務の守備範囲がどんどん拡がっています。
防災士の資格をどのように職場で活かそうとされていますか
業務の範囲が拡大するなかで、大規模地震に関する教育・訓練については、必要性を感じつつもその実践の難しさを感じていました。そこで防災士の研修で学んだ多くの知識を大規模災害への組織的な備えの提案に加えたり、会社の安全活動で事業場を訪問する際に、「安全講話」の中に盛り込むようにもしています。
なぜ防災士の資格を取得されようと思われましたか
4年前に災害救援ボランティアのセーフティリーダーの認証を受けましたが、実際にボランティア活動には参加していなかったので、災害に遭遇した現場では何をどうすればよいのかわからないという不安がありました。そんな時に耳にしたのが、防災の基本とより実践的なことを教えてくれるという防災士研修講座のことでした。当初はどうしても「防災士」になりたいという訳ではなかったのですが、防災のための意識・知識・技能を身につけるための絶好の機会になり、自分自身の防災力がずいぶん向上したように感じています。講師陣の多彩性、また講師一人ひとりの熱意の強さと知識の厚みはかなりのもので、高い受講料を払った甲斐があったと思いました。
今後の課題についてお聞かせください
阪神淡路大震災が1時間目、東日本大震災が2時間目、次なる3時間目に十分にそなえなければならない、という講師のことばが私の心に強く響きました。私は今53歳で孫娘が2人います。私があと30年間生きることができたとしたら、その間に3時間目の災害がやってくる可能性はかなり高いと思っています。自分の子や孫に大震災のような不幸が降りかかるのは、絶対に見たくありません。来る大規模地震が大震災とならないように、我々大人ができる限りのこと実践していかなければなりません。このことをひとりでも多くの方に伝えていきたいと思っています。
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