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メールマガジン掲載記事

◆◆◆学びの鍵◆◆◆

こちらでは、メールマガジンで取り上げられた内容を掲載しています。

2023年7月1日(第11号)

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【ラジオ本放送の日(7月12日)】

 今から100年前の大正関東地震(関東大震災)の際、世の中にはインターネットはおろか、テレビもラジオもありませんでした。唯一の情報源である新聞も、社屋が焼失したり、停電で印刷機が使えなかったり、通信が断絶していたり、配達人員が確保できなかったり、という理由で、数日間発行されない状況になっていました。当時の人々がどれほど大きな不安に苛まれながら毎日を過ごしていたか、想像に難くありません。その結果デマや流言が広まり、虐殺事件が相次いで発生したことも歴史が証明するところとなっています。
 当時の被災状況を、関西はじめ日本各地や諸外国に発信する役割を担ったのが、船舶の無線通信でした。このおかげで被災地の救援計画が遂行されました(※1)。
 この出来事をきっかけに、無線通信(ラジオ)の普及に向けた取り組みが加速し、ついに1925年3月22日東京放送局(JOAK)が試験放送を開始し、同年7月12日に本放送が開始されました。
 様々な自然災害が多発している昨今、情報が得られずに混乱した100年前とは逆に、SNSやアプリなどの溢れる情報源を、どう収集し取り扱うか、という「防災リテラシー」が求められているといえるでしょう。第9号メルマガで実施したアンケート「どんな備蓄品を準備していますか?」でも、「正しい情報を得るためのラジオ」という回答をいただきました(東日本大震災で避難所生活を経験されたオサダくん。さんの他、しかおさんのりおさん琴坂さん)。
 ラジオは電波が届くところに置けばどこでも受信可能です。乾電池や手回しによって稼働し、ライトや充電機能も兼ね備えた「防災ラジオ」もあります。最近は見たことも触れたこともない、という方も多いラジオですが、頼れる情報源として身近においてみてはいかがでしょうか。

※1 電気通信大学60年史 前編3章  無線電信講習所の発展 第3節 関東大震災と無線通信
http://www.museum.uec.ac.jp/60th-anniversary/zenpen/ch03-3.html



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