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メールマガジン掲載記事

◆◆◆学びの鍵◆◆◆

こちらでは、メールマガジンで取り上げられた内容を掲載しています。

2023年8月1日(第12号)


​​いま、防災について「学ぶ」ということ

 当メルマガ読者の皆さんが防災士の資格を取得した経緯や、そのタイミング、その後の防災との関わり方はさまざまでしょう。しかし防災士資格を取得するための学習に取り組まれた皆さんは共通して、「防災」について学ぶ基礎体力をすでに兼ね備えているといえます。

 災害が全国各地で発生し、そして甚大化している今、災害はその姿を絶えず変化させています。去年の災害対策では今年の災害に対処しきれない、災害を引き起こす原因も、そこから引き起こされる課題も想定外であるような事態に直面しています。
 今後起こり得る自然災害による被害を最小化し、自身はもちろん家族や周囲の人々の命を守り抜くために、引き続き防災について学ぶことは必要なことである、ということについては納得いただけることと思います。しかもそれは、まとまった時間やお金を用意して取り組む必要はありません。変化し続ける災害への最新の対処方法(例えば、浸水している道を歩かなければならない時の装備)について知ることも、重要な学びであると考えます。ましてや地域防災リーダーとして活動する場合には当然、自身の知識をアップデートし、課題を見つけ出し、解決することが求められるといえるでしょう。
 2022年10月に岸田首相が「個人のリスキリング(学び直し)の支援に5年で1兆円を投じる」と表明しました。この文脈での「リスキリング」はDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)といったIT関係の、職業に直結するスキルを習得するためのもの、という定義になりますが、これにより「リスキリング」を難しく、大変なことのように受け止められがちに感じます。
 しかし「リスキリング」という言葉をもっと広義でとらえてよいのではないでしょうか。災害大国日本で生きていく私たち全てに、「命を守る」ための知識が必要であり、防災について知ろう、学ぼうとする姿勢そのものが「リスキリング」である、と考えています。お手元にある防災士教本の厚さが示すとおり、防災士として学ぶべきテーマは多岐にわたります。その全てを学びなおす必要はありません。まずは自分の身近なところに関係する話題について調べ、課題を見つけ、さらにその対象を広げていきましょう。当メルマガが、皆さんの「リスキリング」への扉を開く鍵となるよう、今後も発信を続けてまいります。

​​火山防災の日(8月26日)

 第211回国会にて「活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律」が成立し、その中で8月26日を「火山防災の日」とすることが決まりました。

 8月26日という日は、1911年に浅間山(長野、群馬両県)に国内初の火山観測所が設置された日です。噴火への備えの重要性を広く認識してもらい、防災訓練の実施などを促す狙いがあると言われています。
 現在、我が国には111の活火山があり、世界でも有数の火山国です。このうち「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として50火山が火山噴火予知連絡会によって選定され、気象庁本庁(東京)に設置された「火山監視・警報センター」と、札幌・仙台・福岡の各管区気象台に設置された「地域火山監視・警報センター」が24時間体制で火山活動を監視しています(※1)。
 これからの夏休みで登山を計画していらっしゃる方もいるかと思います。監視・観測の対象となっている各火山の噴火警戒レベルを解説したリーフレットを気象庁が発表しています(※2)。防災士の皆さんは、各火山の噴火警戒レベルに応じた「警戒が必要な範囲」や「とるべき防災対応」について事前に確認を行い、情報収集を行うほか、周囲で登山に行かれる方がいらっしゃる場合は、積極的に情報発信を行い、いつ起こるか分からない噴火に対して、広く活動火山対策についての関心と理解を深めていただけるよう、活動して欲しいと思います。

※1 気象庁:地震・津波と火山の監視 火山の監視
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/intro/gyomu/index92.html

※2 気象庁:各火山のリーフレット
https://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/keikailevel.html

​​即席ラーメン記念日(8月25日)

 8月25日は「即席ラーメン記念日」です。1958年(昭和33年)のこの日、世界初の即席ラーメンである「チキンラーメン」が日清食品株式会社 創業者・安藤百福氏(あんどう ももふく、1910~2007年)により商品化され、発売されました。テレビドラマでも取り上げられ、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 例年、梅雨から秋にかけてのこの時期は、台風や豪雨など風水害が多く発生する季節です。大きな災害が発生した場合、電気、水道、ガスなどのライフラインだけでなく、道路などのインフラ設備の破壊により物流機能も停止することがあります。その結果、日常生活とかけ離れた環境での生活を強いられることもあります。どんな災害においても、日頃の備えが最大の策であることは言うまでもありません。
 そんな時、カップ麺やインスタント麺などは手軽な備えの1つになるのではないでしょうか。日頃から食べ慣れていて、普段より多く購入し食べた分を買い足すだけで気軽に備えられます。調理が簡単で賞味期限も6ヶ月以上と長いことから、非常食の定番として備えている方も多いのではないでしょうか。第9号のメルマガで実施したアンケート「どんな備蓄品を準備していますか?」でもカップ麺を挙げた方がいらっしゃいました(あさかぜさん、たっきーさん)。「即席ラーメン記念日」をきっかけに、防災食(備蓄品)の点検を実施しませんか。
 防災食の点検は、食品の数や品質・保存状態の確認、賞味期限の管理だけでよいものではありません。長引く避難生活を想定し、食品にバラエティがあるか、栄養バランスは問題ないか、なども見ることが大切です。炭水化物やたんぱく質、野菜など様々な栄養素を含む食品をバランスよく備えることで、栄養面の偏りを防ぐことができます。温かい食事や変化に富んだおいしい食事があると、心と身体が満たされ、被災時でもポジティブな思考や活動するエネルギーがわくこともあります。日常生活の中で無理なく、楽しみながら防災食の備蓄を心がけたいですね。


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